2014年8月4日月曜日

「2014.1.11例会」-ぼくの見方 東日本大震災から3年-小田明志さん

スピーカー 小田明志さん 東京都世田谷区在住
        『LIKTEN』編集長 
日時・場所 2014111日(土)
大阪市立総合生涯学習センター第5研修室

3.11の時は東京にいまして被災は全くしていない。今迄に話された方々とは違って離れた所におり直接被災はしていないし初めに入った被災地は石巻だったのですが、それも5ヶ月とか6ヶ月後とかで確か夏だったのですが入るのも遅かったのです。だから直接震災の話は全く出来ないのですが、両親が気仙沼出身という事もあってわりと身近なトピックではありました。僕は震災の話というよりも震災が若者にどういう影響を与えていて、これからどういうスキルと言うかどういう力が社会に出る時に必要となるのか、若者がどう考えているかという事を話そうかなと思って今日準備して来ました。

■『LIKTEN』創刊後、若者のことなら「小田明志」というポジションに
僕は先程紹介にありましたように慶應義塾大学のSFCと言う所に入っていて、『LIKTEN』と言う雑誌を作っています。あまり編集者という自覚はないのですが編集者と言われる事が多く、最近では「ワイデン+ケネディトウキョウ」と言うアメリカのオレゴン州ポートランドに本社を置いている広告代理店の東京支部に籍を置いています。慶応義塾ではデザインとかブランディングのゼミに入っていて主に酒井直樹さんという90年代前半位に活躍したデザイナーの方の所で学びつつ、あとスポーツビジネスも専攻しています。だからJリーグの集客だとかスポーツを通じた街づくりだとか、スポーツビジネスのデザインとかブランディングはすごく密接な関係があるので今学校ではそういう勉強をしています。
次は雑誌で、『サピア』というこのピンクの表紙が一番古い物で実際僕が今から4年位前に出した物です。『LEKTEN』を何冊か持って来て、これが一番新しい号なのですけれどこれが最初の号で、これが2号で、これが多分一番売れたのかなあ、これがアマゾンで2位になったので一番話題になった号です。これが今の号ですね、表紙の女性は水原希子さんという村上春樹さん原作の『ノルウェーの森』の作品の劇場版、映画バージョンで女優デビューしたというモデルの女の子です。1号出した時、高校生の時に政治をテーマにして作ったのでわりと話題になりまして、何か日本のメディアは『サイゾウ』だとか何かちょっと癖のあるメディアから多かったのですが、ヨーロッパとか海外の通信社はわりあい真面目に取上げてくれて、これはイギリスの『テレグラフ』という新聞を出している新聞社なのですがそこでも取上げられたり、あとは「パラディオン」というフランスのブーツメーカーからも取材が来たり、あとこれもフランスですが「ズームジャポン」という日本の情報をフランス人に発信しているフリーペーパーで、そこが選ぶ日本の明日を作る50人と言うちょっとかっこいい奴に選ばれて、自分の雑誌を通じて露出の効果がありました。そういうような露出からいつの間にか若者の意見を聞くなら「おまえ」みたいなおいしいポジションに自然となって来まして、例えば企業が新しい商品を作る時に若者の意見を聞きたいという時にわかりやすくメディアに僕が出ていたもので話が来るようになったりして、その中の一環でナイキの話が一回来て、そのナイキのプロモーションを担当していたのが先程言いました「ワイデン+ケネディ」と言う外資系の広告代理店だったので、それがきっかけで僕はここに所属するようになりました。

■今必要な人―チームを組織する人、まんべんなく知っていて2つ以上深めている「π型人間」
ここで最初に任されたというか担当して関わった仕事の一つが「石巻2.0」と言う石巻の復興街づくりに関わる人達を特集したインタビューしてまとめたフリーペーパー作りですね。僕は雑誌を作った経験もあったのでインタビューしたりその素材を構成したりという作業とコラムを書いたりという作業で、一万部位刷って石巻市を中心に発刊しました。又、ウェブでも見られるので後でブログか何かにアップして頂けるといいです。http://ishinomaki2.com/ 
このフリーペーパーは2012年のグッドデザイン賞を取って街づくりのためのメディアという所ではすごく良い評価を頂きました。
他の仕事はナイキのフェールバンドと言う、着けているだけで動いたのを数値化してくれるバンドとかの広告を作っています。僕は友達のプロのスケートボーダーとか歌手だとかモデルなどスポーツ選手でない人達で、まだ皆が目を付けていない若いクリエイターとかをこの広告に取上げるなどスカウト係のような感じで仕事に携っています。
ずっと2009年に雑誌を出してからこういう事ばかりしていたのですが何か最近というか3.11以降というかずっと頭の中にクエッションマークがあったのですが、何か若いというだけでどんどん色々な仕事が来たり依頼が来たりするのですが、その度に編集者と言われたり、あとクリエイターと言われたり何か肩書きだけは言われるのですが全部自分にはしっくりこなくって、確かに自分でも絵も描くし自分で文章も書くのですが何だか自分は何をする人なのか判らなくて結局皆自分の若さを目当てに来ている。それを判って仕事を請けているのですが何かすごい不安に感じるというか、何かこのままで良いのかなあとずっと長い間疑問を持っていたのです。でもその疑問というのが最近晴れて来たのです。晴れてきたという実感というものがあったのですが、それはドラゴンクエストという90年代にすごく売れたゲームソフトです。これの真中にいるのは「勇者」で、左には魔法使いとか戦士とか後ろには特殊技能を持った仲間達が沢山いるのですが、この「勇者」というのは結局戦いはするのですが戦う能力だったら後ろにいる戦士の方が強いし、魔術を使うのだったら後ろにいる魔術師の方が強いし一番ぱっとしない奴なのです。真中にいる「勇者」と言うのは主人公なのですが、この「勇者」というのが自分に一番近いのじゃないのかなあと。一人じゃ何にも出来ないのにチームを作らせたら「うまい」みたいだから雑誌も結局は自分一人では作れない訳だし、文章を書く人がいて自分でも文章は書くのですが、作品を載せる人がいてあと写真を撮ってくれる人もいる。そういうチームをあまり特技みたいな物は無いのだけれど何か自分にやりたい事があってそれに向って仲間を集められるというのは自分では気付いていないだけで、それ自身が自分の大きな才能だと、自分で言うのも何だけど、他の人には無い物だと偶然それに気付いた時に「ああ」これで良かったのだと。それで震災の後、結構僕みたいな「勇者」タイプの人、一人じゃ何にも出来なくて役に立たない人間は何か生き辛かった実感があって、と言うのもすごく筋肉もりもりの訳じゃないから被災地に一人で行っても特に力仕事が出来る訳じゃないし、すごくお金を集められる訳でもないし、お金を持っている訳でもないという中途半端なポジションにいて何かそれこそ居場所が無いなあというのを3.11以降結構感じてたりしていたのです。実はこの「勇者」タイプというのは3.11以降の社会には必要なつまりチームを組織するという力が必要とされているのではないかと思うようになりました。
ちょっと「T型人間」と言うのを一時期メディアとかで聞いた事がある方がいらっしゃるかどうか判らないのですが、「I型人間」、「T型人間」でこれは僕が考えた「π型人間」です。「I型人間」と言うのは一つの分野をすごく深く掘っていく、だから一つの事に長所がある。例えば先程の魔術師のように魔術をやらせたらこの人が一番、プログラムを書かせたら一番とか、ガレキを撤去させたら一番とかそういう一つの事に長けている人これが「I型人間」、けれど「T型人間」というのは色々な事を浅く知っているのです。ガレキの撤去も知っている、街づくりもちょっと知ってるいし、お金集めもちょっと知っているし、政治の事も知ってる、政治のシステムの事とかあと地方の政治の成り立ちなど色々な事を知っていながら自分でも一つ何か持っている。こういう人を「T型人間」。これは一時期ビジネスの世界でも「T型人間」がこれから来るみたいな話をされていて、けれど何かこの一連の震災の色々な事を体験した結果この「π型人間」がすごく必要であるべきではないかなあと、こうやって色々な事を知っておきながら何か一つ自分でも長所を持っています。でももう一つ持ちたいなって、この人は結局一人じゃ何も出来ないのですよ、ここの事しか出来ないのでここの事だけだと世の中には結構いるのです。これだけだとI型人間なのですよ、ITでこれとこれで二つまんべんなく知っているという事がすごく重要で「T型人間」と「π型人間」がすごく重要なのです。だからこういう人材をもっと増やしていくべきと言うか、こういう人材を皆が目指していくのが大事ではないかと思っていて、けれど何か結構こういう事を言う人が多いはずなのに僕が学校とか行っていてもI型ばかり育てている。何か皆そうじゃないですか二つの事をやろうとすると中途半端だとかたぶん一つの事を極めなさいとか、例えばイチロー的生き方、一つの職人的生き方というのを日本人というのはすごく大事にしすぎる、二つやっている人を中途半端だと言ってみたり三つやっている人はよく分からない人みたいなレッテルを貼られてしまう、それがすごく不健全だなあと思って僕の周りにも日本人に限らず色々な国の友達がいるのです。けれど何となく日本人だけすごくサラリーマン一本、サラリーマンでも色々なサラリーマンがいるけれど、何か一つの事に熱中しているすごく職人、日本の職人技はすごいと言うじゃないですか、けれど世界中には色々な職人がいて日本の職人だけがすごい訳じゃなくて普通に考えて日本人はわき目を振らないだけであってわき目をふらないという事はそんなに難しい事じゃないんじゃないかと思って、二つやっている方がすごいし三つやっているのはもっとすごい、何かこういう教育というか皆こういう価値観を持てば良いのになあと思うのです。

■政治システムの限界を打ち破る-ひとの個人の思い
ちょっと似たようで似てない話なのですが、このグラフは平成17年の調査なのですが今から9年前だからちょうどこの世代が一つずつずれる。このグラフは何のグラフか予想がつく方いらっしゃいますか。このグラフは年金の負担額なのですが、40代はぎりぎりでプラス240万位得できる。50代は1250万オーバーで60代は5000万近く自分が支払った金額からオーバーで貰える、今平成17年なので僕はここの世代です。残念ながら僕は生まれながらに4,000万の借金を背負って生まれて来た訳です。これを言っている人がすごく多くてこれが問題だよと、これはどんどん増えていきますからこれからどういう風にやっていきますかとなって来た時に、これは一つの例として上げたのですが、政治のシステムを変えなければ解決しない問題をどうやって解決するのか、僕はこれは安倍さんでは解決できないと思うし、安倍さんで解決できると思っている人はあまりいないと思うのです。あまり期待していないこれは安倍さんが解決しようと思っても解決できないのです。と言うのは、40才代以上の世代で政治は成り立っているからです。30才代までの人達はもう選挙には行かないので40才代以上の人達が得をしている限り政治のシステムは変わらない、これは民主政治だからしょうがない事ですが、若い人達の中にはこれを変えたいと、政治システムを変えたいとか自分が政治家になって変えたいとか言う人は僕の周りにはすごくいて、やっぱり僕の学校はアドミッションズ入試と言うのですが自分のやりたい事を論文に書くとそれで採ってくれる学部なのです。だからやたらすごく詳しい奴だとか、政治の知識を持って政治家になりたくて学校に入って来ている人がいる。英語とか全然出来ないのにそういう人がいるのです。だけどそういう人達を見ているとちょっと無理じゃないかなあと変わらない気がする直感なのですが。すごく時間がかかる。だから50代以上の人達が死なないといけない。死ぬ人達を前にして言っているのも何なのですが、それまで変わらない訳なのにここですごく頑張ったところで数が違うからじゃあどうしたら良いのかなあと。
例えば他の問題にしましょう。例えば気仙沼にでっかい堤防が出来る計画があるのですがあれは多分被災者の感情から言ったら確実に建てるといった流れですね、勿論反対の意見もあるのですが、それを政治の問題にした途端にどんどん時間がかかる。決断そのものに時間がかかってしまう、この年金問題もそうなのですが政治システムの問題だから個人の考えがどうであれシステムの下に人が置かれている状態になっているのですごく不健全な状態が生まれている。これをどうすれば解決できるかと言ったら政治システムから抜け出した、人の良心?言葉がみつからないんですが、に注目することです。この人の個人の思いをそのままくみ取るシステムが出来ていないからこれは変わらないと言う事です。この問題に限って言えば日本に存在するすべてのお金の内大部分が貯金なのです。皆のタンスの中に入っているのです。運用もしない、死ぬまで使わないケースも多分あるのです。これはすごく勿体ないですよね。それをこの人達に使ってもらって増やしてもらえばいいのです。

■政治システムに頼らない問題解決の鍵-「クラウドファンディング」という仕組み
それでこういうのが最近出て来たのですが「クラウドファンディング」という考えです。「クラウドファンデング」というのは、政治システムの限界やお金の流れを打開しようと言われた訳ではないのですが、偶然そういうのに使えると言われ、どういう仕組みだと言うと、例えば僕が雑誌を作りたいのですが次の号に多分あと30万円位あれば僕の希望する部数の雑誌が作れるのです。今まで30万円出したと、例えばカフェなどお店を出したいと200万円あればカフェを出せる。自分で商売をしたいと会社員じゃなくてそうしたら初めはまず銀行に行ってみようとか、ベンチャーキャピタル、お金を出してそのリターンで投資家にリターンする、投資をビジネスにする人、もう一人この人は優しいです。エンジェル投資家一人で経済を活性化する事が自分の幸せだと思っているお金持ちの方です。これって結局一人一人が銀行がなくても例えば僕が30万円ほしいとして銀行ではなかなかお金が借りられない、そういう時にもっと沢山いれば皆で300万円を割れば、例えば100人いれば一人3万円出せば300万円集まる訳ですね。そうするとこういう人達は要らないようになってしまうのです。それは皆が少しずつ出してくれるからです。この人達が少しずつ出してくれる、300人が1万円ずつ出してくれる。これを群集の資金援助と言います。
こういう「クラウドファンディング」という仕組みを実際やっているサイトは実はすごく沢山あるのです。「クラウドファンディング」というのはインターネットと同じようにサービスの総称で「クラウドファンディング」という中に「クラウドファンディング」をやっている会社が沢山ありましてその中の一つが「キャンプファイヤー」と言う、これは例えば“商店街バンド新装開店プレミアライブ”これは商店街にバンドを呼びたい人だけど、こういうのに銀行はお金を貸してくれない又投資家がつくとも考えにくいし、インターネットでこういう事をやると今なんと84人がこれを支援して159万5500円集っているのです。これってすごい事だと思いましてこのサイトを見ている人達は若い人達だからまだそんなにお金に余裕のない人達です。先程のグラフで言うともっと上の人達貯蓄額もあって年金も沢山貰える人達がこういうサイトだとか、僕のように色々な若いアーティストを知っている人間と巡り合うことでもっと若者にお金が回るように出来たり、これは政治システムを変える訳ではなくもっと流れが円滑になればどんどん本来はこんがらがっている政治の問題もスムーズに解決できるしそこで大きなエネルギーを使う事もないし時間をかける事もないし、これは先程のフリーペーパーの印刷費だとか震災で流された店のノボリをもう一度印刷したいだとか小さい物から、海外シンポジユムに出席するための渡航費がほしいだとかそう言った若者が沢山こういう所に投稿しているのです。こういう政治システムの変革に頼らない問題解決がこれからすごく大きなカギになると思っていて、例えばこれから被災地というのは福島県を観光スポットにすると言っている友人がいて今はまだ観光地化するというのは心情的にも健康上の理由もあって難しいけれど必ずやその3.11という事そのものをコンテンツとして、今言葉にしてしまうとちょっと抵抗があるんですが、消費財として売り物に出来るそういった事を考えた時にこういう「クラウドファンディング」とか政治システムに頼らない解決法がどんどん重要になって行くのではないかと思っています。

■簡単に自分の声を情報発信できる時代-メディアの使い方を広げる
実は『LIKTEN』の次の号では坂本龍一さんにインタビューしているのですが、彼が言っているのはメディアの力がすごく大切になって来ると言っています。1号目は政治特集だったのですが今度の4号目は情報をテーマにしていてどういう事を書いているかと言うと「クラウドファンディング」とかのような大掛かりな物ではなくても、自分たちが簡単に作れるブログだとか、どうメディアを使っていけば良いのかということを取上げている、このようなインフォメーションがあまりにも少なすぎると思うので。ブログなんかはメールアドレス一つあれば誰でも簡単に作れる。50年前に僕とか皆様みたいな個人が世界中の人達に文章を公開したり写真を公開したり出来るシステムが存在しなかったけれど情報の扱い方や処理の仕方、例えばテレビの情報を見て正しく判断する力とかを「メディアリテラシー」という言葉を使ったりしますけれど、与えられた物をどう消化しどう処理するとかばかり語られていて、だからこういう「クラウドファンディング」とか自分達が主体となってやるあるいは動かしていくシステムというのはあまり広まりが良くないし、未だにテレビとかラジオとか、僕の周りの人は観ている人が多くないのですが、多分まだ20代~30代以上の人にはテレビがまだまだ力を持っていると思うのです。自分達が観るメディアの教育はされているけれど自分達で使っていく、例えばブログを書いたり自分の声を発信したりするメディアの使い方というのは教育されていないしそういう使い方がある事すら解っていない、これは何かもったいない事なのです。だからこういう会とかこういう小さなコミュニティーを沢山作って情報を公開していくのは僕はすごく良い事だと思っていてこれをきっかけに「キャンプファイヤー」だとか「クラウドファンディング」とかこれだけじゃなくてブログを書いたりだとか自分で情報を発信する事にチャレンジする事も大事だと思います。

■「東京ライジング」-政治システムに頼らずお金もかからなず「日本」のPRできる
あと「クールジャパン」政策というのが国がやっているのですが、日本だけじゃ市場がどんどん小さくなっているので今どんどん大きくなっているアジアの市場にアニメだとか日本の映画を売り込んでいこうという、松岡正剛さんとか編集者の方々が中心になってやっているのですがなかなか上手くいっていない、麻生さんが総理の時にアニメの施設を作ろうとした時にすごく批判にさらされたりだとか、けれど一方で韓国というのはソフトパワーコンテンツを発信する力はすごく強い、例えば「少女時代」だとか「KARA」だとか2~3年前紅白歌合戦に出ていたりしたけど、日本の「AKB48」があそこまで海外に広まる事はあまりない、「KARA」とか「少女時代」はアメリカでもすごく人気があるのですよ。韓国ってすごく小さい国で市場規模もそんなに大きい所ではないのに何故ヨーロッパとかアメリカに自分たちの持っている資源、コンテンツを売り込めるかと言うと単純にそれを担当しているのは海外の人なのですよ、日本の映画とかアニメを売る担当の人っていうのは松岡さんとか結局は中の人なのですね残念ながら。役員も全員日本人だしそれを取りまとめているのも日本人だし決定を下すのも日本人だし、アイデアを出すのも日本人なのだけど、韓国は違うのですよ、韓国が好きな外国人というのはその部署にいっぱい入っている。       
何故そんな話を始めたかと言うと実は日本好きの外国人というのはすごく多いのですよね。これを少し見てほしいのですがこれはすごく海外では話題になって、何故か日本ではあまりニュースにはならない、これは「ファラウィ ウィリアムス」と言う黒人の男性で世界的な音楽プロデューサーで例えば「イチロー」よりも有名で知名度で言うとちょっと難しいけれど世界の若者100人に聞いたら99人が知っている世界的なミュージシャンなのですが、彼は日本が大好きで3.11の後にどうしても日本を応援したいと言って「東京ライジング」というドキュメンタリーフィルムを作ったのです。僕も取材を受けたのです。100人位のスタッフを日本に呼んで、福島でF1ドライバーとかが日本の水を飲まなかった時、海外から来たドライバーが水を飲まない位警戒をしていた時に彼は200人のスタッフを連れて日本に泊まって福島に行ったり、彼の友人の日本のアーティストにどんどんインタビューして今日本はどういった状態なのかとかこういうデモの主催者にインタビューしたり、これは素人なんですが高円寺で古着屋さんをやっている人なのですが彼らが取材したテーマというのが一番大きかったのです。これを取り上げたメディアというのが残念ながら海外のメディアだけでしたね、日本語で出たのはニューズウィークの日本語版だけでした、この米国人ラッパーが作った最強の東京PRビデオを。これはレディースアローと言う『フィガデオロッシュ』のフランスの新聞記者が書いたコラムなのですが、「もし責任者に外国人を起用していれば。韓国ではそうだが、日本観光のPRがもっと成功していたかも知れない。日本の良さを謳う外国人が作った映画や音や歌やアートは素晴らしい上に無料の広告だ。」これも実は先程言いました政治のシステムを変えないでより状況を良く出来る方法の一つです。もう莫大なお金を掛けてアニメの博物館を作ってみたり海外にアニメの教育をするアニメーターを派遣したりするのだけど、今のムービーは日本の政府は全くお金をかけていない、全く作ってと言って頼んでもいないのに、彼は自分から来て200人ものスタッフを引き連れて自分達でビデオを作って、これはニューヨークの映画館でも上映したのですけれどこれはトータルだと30分のファイルがパート6位まであるので約180分位ですねもうほとんど映画と変わらない位の分量のものを日本の政府からお金を取らずに勝手にPRしてくれる。日本のポジティブな情報を世界に向けて発信してくれる、けれど残念なのはその事を日本人自身がそれに気づいていないそのお得さとか日本の持っている力に全然気づいていない。日本というのを説明しなくてもすごいと思わせてくれる。

■欲しいモノは欲しいと思う消費者が、開発費用を出し作れる消費者が作る
これも海外ではすごく話題になったiPadiPhone向けのアプリなのですが携帯を楽器として使えるという仕組み的にはたいした事ないのですが、ムービーを作ってこういう風にネタをどんどん録音していくのです、こうやって色々な音を集めた後にこの音を使って皆を集めてパーティーをする。実は最終的にはソフトを売る事によってお金になった仕事、プロジェクトなのですけれど結局初めはこういうのを作ったらおもしろいよねとこれも先程の「クラウドファンディング」で資金も皆に募ってこういった物を作りたいのだけどほしい人はお金を出してほしいというのと同じです。先程説明するのを忘れたのですが「クラウドファンディング」は基本的にはお金は戻ってきません。例えば僕が皆から1万円下さいと言って貰ったとしても僕は貰うだけで皆様には1万円は返しません。その代わりに僕のサイン入りで送るからとか、これだったらオリジナルのこの演奏データの入った物を返してあげるとか、ちょっと普通に買う人よりも少しお得な特典が換って来る。そういう仕組みでやっていて、これだったらステッカーが付いてくるお金を出すとほしかったソフトと、お金を出した人しか貰えないオリジナルステッカーが貰えるという、結局いくら集ったかというと300万円位集まったのです。こういう皆の力があれば全然政府だとか役人さん達が頑張って企画した物より遥かにすごい物が作れるのです。これは絶対国が作れない。先程言ったのは日本国内の物だったのですが「クラウドファンディング」という仕組みのブームの火付け役になったのが「キックスターター」というサイトです。
この間までアップル製品がすごい家電というかタブレット業界でイノベーションを起こして日本のメーカーが全然ついて行けなかった、それはほんとうに消費者が欲しかった物をメーカーが作らないから、例えばエアコンだって自分がいる所にダイレクトに風が来てほしいとは誰も思っていないのに日本の企業というのはどれだけダイレクトに当てられるかとか言う事にすごく気を使ったりしているのですね。それは結局消費者と作る人が別れてしまっているのでそういう問題が起きるのです。この「キックスターター」の面白い所は皆自分達が欲しい物を自分達で作ろうとしている所なのです。例えばこれはお金がほしい人達であり開発者です。これは犬用のおもちゃです。彼らはこのように犬用のおもちゃを自分達がまずほしい、売りたいのじゃなくて自分達がほしい、中に餌が入れられたり遊んだ分だけ餌が自動的に出て来るものを作りたいので、このサイトで皆がお金を出して集った金額が数億円を越えるものがあるだから皆が欲しければ作れる人が作ってしまう。だから大きなメーカーが動いたりしなくっても日本ではここまでサービスが盛り上げっていない事もあってそういう気分になっていないのですが将来的には皆が企業とか第三者に頼らなくても作りたい人が作った商品に必要な分だけお金を出せばその商品が手に入ったり、全く無駄がない商品の入手が可能となるのです。
僕こういう事が雑誌だとか若者が作るメディアにも広がって行くと思っていて興味があれば積極的にこの若いアーティストだとか若いクリエイターとかに無理にお金をあげたらと言う訳ではなくて自分達が欲しい物があればそこにお金を惜しまないでほしいということです。先程のメディアの使い方も一緒でどう自分だけで消費するかではなく商品の出来た向こう側の事を考えてお金を使うという事、商品を買う事が投票行為だと思って、あなたの作っている商品が良いしあなたの作っている商品をこの先買い続けたいからという事で買い物をする事、それがこれからすごく大事ではないかなあと思います。
僕が用意して来たのはこのような感じなのです。

<質疑>
Q.『LIKTEN』を紙で出した意図は?
A.ルイヴィトンのお店がありますけどルイヴィトンのお店が表参道にあるのですが、高校生とかあまり入れるような感じではない、いわゆる気軽に入れるお店ではないからこそそういう所を越えたお客様だけ相手にすればいい、来るお客様の層は大体決まっているから店のサービスを高める事が出来るし買う気で来る人が来ている訳だから、より良いサービスを提供できる。だから逆にスーパーとかは全然敷居なんて無いような物で誰でも入れるしけれどサービスなんてルイヴィトンに比べたら全然落ちる訳ですよね、何故かと言うと色々な人が入って来る訳ですよね買う気のある人も無い人も入ってくるし、そもそも高い商品を買う気なのか安い商品を買う気なのかとかばらつきが多すぎる、だけどルイヴィトンだったら高いバッグを買いに来ている人達だけ、だから例えば紙も同じでこの紙の本と言うのでかなりフィルタリング出来るのです。買いに行くのがまず面倒くさいしまず本屋さんも選べば例えばこれは代官山にあるツタヤさんで代官山のツタヤは他のツタヤと違って年齢層の高い人向けにやっているのです。ちゃんと選書をする人がいて良い本しか置いていないのです。そういう事をする事によって本に元々興味がある人しか役に立たない場所に置いてある。そういう事で本に興味もないしあまり今まで文章を読まない人にはあまり実は読めないようになっている。逆にこれは見せたもの勝ち、出来るだけ多くの人に見てもらいたいというのが若者には陰りを見せて来たのかなと、だから仲間内のメールも1対1のメールじゃないのです。「メーリングリスト」と言って一つのアドレスに一度に何人の人にもメールを送れるというのです。この会にもメールがあるのかどうか判らないのですが、このアドレスに登録している人が一気に一通のメールを共有したり、それを返信すると又一気にメールが届くだから開かれているのですがすごく小さい、フェイスブックとかツイッターに比べるとすごく小さいコミュニティーでコミュニケーションをとる事が出来る。それがすごく若者には流行りっぽくなって来て若者の流行というのは必ずどんどん上の世代に上がっていくので

Q.何故流行りになっているのですか?
A.こう言ったツイッターとかフェイスブックは結局色々な人を相手にしないといけないし、嫌いな人も見ているし、昔はネットと言うのは現実では言えない事をつぶやいたり発信する場所だったのに、いつの間にかそれが逆転してしまっているのです。あまりネットでは言えない事を現実でひそひそと言うような逆転現象が起きてそれで皆疲れてしまったのかなと、だからネットの方がしがらみが強くなって来た。コンビニの冷蔵庫に入ってコンビニがつぶれてしまったりしました、そう言った監視社会、昔だったらこのような事は気にしなかったしコンビニがつぶれるような事もなかった。まるで落語のようじゃないですか冷蔵庫に入ったらコンビニがつぶれたなんて言うのは、ちょっとギャグみたいですよね。そういう息苦しさみたいな物が徐々にこれから社会に蔓延するのではないか、だからフェイスブックの利用者に(皆様フェイスブックをやっているかどうか判らないけど)若者はアメリカではどんどん減っているのです。ツイッターもすごく減っている、こんなに盛り上がっているのは元々日本だけなのです。アメリカではユーザーはもう頭打ちになって減って来ている。
皆メールだとかこういう会ですねネットで難しい事をやろうと言ってるのじゃなくてこういう小さなコミュニティーをいかに熱狂させるか、今までは広く浅く知ってもらいたい例えばテレビのCMでもそうですが、うちの企業理念とかはどうでもいいから商品の名前だけ覚えてくれ「チョコ棒」だとか「ガリガリ君」だよ、だとかそうじゃなくてうちの会社の理念を知った上で買ってくれだとか色々な人に買って貰いたいと思わないからサポーターを増やしていくだから僕が「ワイデン+ケネディ」と言う会社で担当しているのが「ベン&ジェリーズ」と言うアイス屋さんなのですが、これも元々はアメリカの企業で環境に良いというこう言う企業理念をどんどん表に出してCMはほとんど打たないこの企業理念に引っかかって来れる人だからCMなど打たないので、広告代理店としてはあまりおいしくない仕事なのですが出来るだけ小さなコミュニティーにどれだけ熱烈な人を持つかという事、ウェンディーズだかバーガーキングだったか、これは一昨日位のニュースなのですがフェイスブックに企業も色々ページを持っているのです。例えばホームページのような物がフェイスブック上にあるのですが、それに「いいね」とするとその企業の情報がどんどん流れて来るけれど「バーガーキング」がほんとうに好きな人だけ「いいね」をしてくれ、マックが好きな人にはマックのクーポン券をあげる。その結果3万人減ってしまったのです。バーガーキングの元々の情報を見ていた人が3万人減ってしまったのですが残ったのは熱狂的なファンだからそれで良しという、これは今までの広告の流れでは絶対に無かった事なのです。
先程言ったメールの話から広まりましたがこれからはどんどんそういう流れになって行くと思います。
コミュニティーが小さければ小さい程掛かるお金も小さくなる。例えばこれも僕が何百人もの人を相手にするような大きな会であればここでは足りないのでちょっと違う会場費の掛かる所に変わる訳ですよね、そういう事を考えるとこういうコミュニティーというのはどんどん色々な所に出て来るその中で熱狂して例えばこういう会じゃなくても、つぎの会とかお茶会とかそういうのがどんどん増えていくとそういう物が社会だとか行く々は国の力みたいな物に繋がって行くのではないかなあと思っています。それは被災地も一緒でだから被災地の仮設住宅で暮らしている方々にもボランティアの方の主な役割というのが小さなコミュニティーを作ってあげる事、だからわざわざ手芸をする場所とかはちょっと離れた場所に作ったりするのです。離れた所というのは、バラバラに近い所に作るのではなく皆が集りやすい場所一つだけ作るのです。そう言った小さな集まりを作ってどんどんコミュニティーを増やしていくというそういうコミュニティーが沢山出来てくるとどんどん元気になって行くという事です。

Q.「東京ライジング」のなかに震災があってこれから変わると言う人がいるのですが、ほんとうに変わっているのか?
A.変わると言う人がいたと言うのが不思議に思っていて、僕は偶然両親の実家で起こった出来事だったから僕の中では大きな地震だったけれど、あれは全然若者には影響与えていないです。全く変わっていないです。勿論少なからず影響を受けた方もいますが皆様が言う程、本とか雑誌で読む程の若者のマインドチェンジになる様な出来事ではないのです。残念ながらだから関西の方々はどうなのですか。
(-関西は東京なんかと比べると非常に遠いです。私達はこの会をやっているから被災地の方々の話を聞いているので少し位関心はあるのかも知れないですけれど時系列で見れば随分関心が薄くなっているし忘れられているなあと言う私の感想ですけれど)
けれど僕は忘れても良いと思っているのです。勿論細かい所の教訓例えば原発の人達が忘れてしまったら困るのですが、3.11というのは「パールハーバー」とかではないので自然現象な訳なので、誰が悪いとか誰かがいけない事をした訳じゃないので震災自体忘れるという事が僕は絶対駄目だとかそういう風には全く思わないのです。むしろそこから得た教訓を忘れなければ良いと思っていてその教訓を得たのは何かという事は別に忘れても良いと思っているので全然捉え方が年代によって違うのかなあと思います。

Q.お話としては非常に面白かったのですが、一つ気になったのは最初に政治に対する失望したような部分が「言っても仕方がない」と言う諦めの部分がありまして、そこの所を乗り越えているのか乗り越えていないのかよく判らないのですが、形でITのコミュニケーションの仕組みを変えれば世の中が変わるのではないかというふうに私は受け取ったのですが。実際に20~30年前或いは40~50年前にそういうコミュニケーションの仕組みを変える事で政治を変えようという活動が、例えば昔で言えばアングラ劇場とかいわゆるサブカルチャーの部分で非常にそう言った影響の強いインパクトの強いコミュニケーションの手段を色々な人が作って来てやっていたと思うのです。今のお話を聞くとそれでもないし何か非常に繋がり方が平板な形で広く繋がるという、たまたまITの技術が入って来たからそういう感覚になるのかと思ったのです。もう一つは同感だなあと思ったのは今非常にハードルを高くする事によって人を選別する、要はコミュニケーションしたい人とコミュニケーションするという事をもし念頭に置けばそうせざるをえないような状態要するについ最近言われている「いいね」と言う事が非常に問題だと国家を滅ぼすという。まあツイッターとかフェイスブックで「いいね」と言う事を連発して基本的に「いいね」が組織的に来ると日本の国家を見誤っているのではないかという位の事を言われています。それが非常に問題であると言われていると思うのです。実際はそういうITを利用した形の政治的な活動、この間の原発なんかにツイッターとかに写真で集まるというあれも当初はすごいなあと思ったのですが結局そういう形で集まった人達は直ぐに散ってしまう、その持続性の問題をどういう風に担保するのかをもう少し考えないと限界があると思うのです、先程言われた「クラウドファンディング」にしても確かに昔からあるのですよ、それは大阪の街のお金持ちの人がお金を出して公共の橋を作るとかねそういうのはあるのですけれど、そういう事をもう少し密度を高くした形で要するに持続する必要はないのでしょうけどもう少し政治の方へ引っ張ると言うのに努力しないと結局それが強い物にならないのかなあと思っているのです。
A. 勿論政治の部分と両立するのが大事で政治に対し完全に失望しているから、そこに全くアプローチをしなくってもいいと言う事ではないのです。それにはすごく時間がかかるからその間の繋ぎとしてその例として「クラウドファンディング」で、今日の僕のすごい反省としては僕たち側がかなりグループというか小さなコミュニティーになりすぎてしまって全然思ったよりも使ってらっしゃらないと言うか思った以上にハードがつくパソコンとか携帯とか実際に使う、これが生み出す壁というのが高すぎると言うのが、僕こんなに世代が違う人と話すのはあまり機会がないので初めて今日久々にその田中さんの携帯を見て、ちょっとミスったなあと思ってそれはだから「どうにかしろ」とか言う事じゃなくて、だからそれはむしろ僕たちに必要な改善点かも知れない。こっちに引っ張ってくると言う考え方じゃなくて言い方は悪いかもしれないがどんどん降ろしていく、寡占しないで自分達が作ったサイトとか技術とか言うのをもっともっと簡単にしていく、もっともっとユニバーサルな物にしていく努力が僕もソフトを作る側の大学だし。
Q. 僕の感覚ではそれは逆かなあと思うのですが、要はたやすくリンク出来るとか誰でも参加出来るとかねそういうシステムはおのずとそれが限界になっていて非常に問題であると思っています。特にアメリカの企業は人のために商品を作るとか、より便利な物を作るとか、先程の犬の餌の商品ですが私なんかは絶対投資しないのですが、だからそういう商品に対する考え方も非常に安易と言うか言葉ではうまく言えないのですが、非常にハードルが低いという事を追求していく論理と言うか、追求していく社会と言うのが非常に問題があるのではないかと僕個人的には思っているのです。むしろ多様性をいかにパソコンの中にしてもあるいは社会にしてもそのまま保証するという事が出来るような、それは多分政治なのです。政治のシステムを作るという事でしか逆に今の状態をなかなか乗り越えれないのかなあとずっと思っています。
A. それは大方の考え方ですよね、それは普通の考え方であり完全に同意しますけどこのままでずっと腐れ縁で来てその考えが3.11によって少しずつ変わり始めていると初めて若者にとって僕達の世代にはインパクトだったのです。昔から繋がり方を変える事によってコミュニティーだとか街を変える事は知っていたけれど僕達にとっては初めての出来事、変化点がそうだったのですね。昔に比べてハードルの差は縮まって来ていると僕達は思っていたのです。それは勘違いだったという、今日はちょっと勿論情報としては皆様がスマホを使っているとは勿論思ってはいないが予想以上です。
Q. 事例的にね先程言われたこの「ベン&ジェリーズ」企業がうちの商品買ってくれなくてもいいですよと言うマーケティングをするというのは、有名なのは「パタゴニア」なんかがそうなのですが、アウトドアの衣料なのですがパタゴニアのダウンを買わないで下さい。買って欲しい人は「こうこうこういう人」なのですと、最終的に手直ししてずっと使うか要らなくなったら確実に次の人にリユースさせるという活動をしてくれる人に買って欲しいのだという事をやっている。買わないで欲しいというのをヘッドコピーで出してそういう事をやっているのです。それはまだちょっとねマーケティングの業界から言うとちょっと光かなあと言う感じを持っているのです。
A.パタゴニアのポップキャンペーンというのは初めはわりとそういう見方もわりと多かったのですがけれど、ちょうどナイキの仕事をしていてパタゴニアがやったことでナイキも1%だけを無農薬の原料を使うことに変えたのです。ナイキの1%と言うとパタゴニアの一社分なのですよ、それが増えてくるという事でその結果が出始めているのです。そういう広告、マーケティングを知っている方にすれば「あきあき」してすごく見慣れているものこういう「ベン&ジェリーズ」なんかもそういう感じみたいな20~30年前からあるからと言う感じなのですが、これも総体的にはすごく増えているそういう事を志向する企業というのが一過性のブームのものではなく、その積み上げが出て来ている。それがアイスの企業にまで降りて来てこれに刺激された、例えばパタゴニアに刺激されたナイキと同じようにこれがハーゲンダッツも刺激し、ガリガリ君を刺激しそういう積み重ねが出来て、それと共に政治的なシステムの変化がちょっとずつどちらもちょっとずつですけれど、同時進行によって変わりつつあるだろう、変わり行くようにと信じた方が楽しく生きれるだろうとそういう事です。